油の劣化について
フライ油の廃棄基準について
揚げ処理中の油脂が、発煙、カニ泡、粘性等の状態から判断して、下記に該当するに至り、明らかに劣化が認められる場合は、そのすべてを新油と交換すること。
- 発煙点が170℃以下になったもの
- 酸価が2.5を超えたもの
- カルボニル価が50を超えたもの
※基準 1979年厚生省食品衛生課長 通知 環食第161号 「弁当および惣菜の衛生規範」 自主管理基準
調理中のフライ油の劣化のメカニズム
フライ油の劣化
酸価測定値は基準以下なのに揚げ物が「油くさい」「ネットリしている」
↓
油の劣化は、酸価値の増加だけではなく空気との接触や加熱が原因となって生じる「低分子分解物」や「重合物」等劣化物の量の増加によっても進行。
↓
酸価測定だけではこれらの劣化物の量までは管理できない
揚げ処理中の油脂劣化に関する、厚生労働省の見解
油脂の劣化度は、日本油化学会制定の「基準油脂分析試験法」 にもとづく、6つの指標にもとづき、過酸化物価、酸価、カルボニル価、アニシジン価、極性化合物、油脂重合物、いすれを使用しても問題ない。
「弁当およびそうざいの衛生規範について」は、あくまでも規範であり、ひとつの指針にすぎない。油脂劣化を評価する酸価も、衛生規範上のひとつの指標である。従って、日本油化学会の「基準油脂分析試験法」(2.5.5-2013)に記載されている極性化合物も油脂の劣化度評価の一つの指標である。
2014年11月18日 厚生労働省・医薬食品局 食品安全部 監視安全課
揚げ処理中の食用油の劣化に関する保健所の見解
「弁当およびそうざいの衛生規範について」は、あくまでも規範であり、食品衛生法等の法律ではありません。規範とはいわゆる「努力目標」であり、ひとつの指針にすぎません。ですから、揚げ処理中の油脂交換について、揚げ処理中の油脂の劣化度評価指標は6つありますので、いずれの指標を使用しても全く問題ありません。
6つの指標 :極性化合物 ,過酸化物価、酸価、カルボニル価、アニシジン価、油脂重合物
したがって、酸価以外の指標(極性化合物)を使用しても問題ありません。
疲れた油の見分け方
油の劣化を見分ける5つのポイント
美味しい揚げ物を揚げるには、疲れた(劣化した)油を見分ける事が大切でです。
におい
不快臭や刺激臭がしたら要注意! 「枯れ葉や塗料の様な臭い」と表現されることもあります。
色
色の濃さは劣化の判断基準の一つですが、それだけでは判断できません! 揚げた素材に含まれている油や不純物で色が濃くなることがあります。 色が濃いからといって、劣化が進んだとは限りません。
煙
新鮮な油は、240℃くらいまでは煙がでません。 180℃くらいで煙が出るような場合、油が劣化しています。
泡
揚げ物をしている間に発生した細かい泡が消えにくい場合、油の劣化が進んでいます。
粘り
不快臭や刺激臭がしたら要注意! 熱した油の温度が下がった時に粘りが出ていたら要注意! 油の酸化(劣化)が進むと粘度が高くなります。
油の酸化値の測定と劣化について
油の酸化値を測定されて揚げ物をされている方もいらっしゃるかと思います。
測定値は基準値以下なのに、「揚げ物が油くさい」「ネットリして美味しそうに見えない」 と言う経験はありませんか?
酸化値だけでは、フライ油の劣化を正しく測定できないことがあります。
酸化の測定値だけに頼ると、美味しい揚げ物を提供できない場合があります。
美味しい揚げ物を提供するため、是非フライパウダーをご利用下さい。
油の上手な使い方
油フライ油に廃油基準を決めましょう
フライ油の管理基準は、揚げ物の品質を決定する重要なポイントです。 同時に無駄な廃油をしないようになります。
揚げカスを除去しましょう
細かい揚げカスは加熱されるとフライ油の劣化を促進します。 また、揚げ物に付着して、色や風味を悪くします。
フライヤーの加熱はこまめにOFFにして、設定温度を守りましょう
加熱する温度や時間は、油の劣化に大きく影響します。
こまめにさし油をしましょう
新しい油をこまめに入れることで、油の劣化を遅らせることが出来ます。